ここでは管理人が過去にプレイしたゲームについてコメントを述べていきます。
主人公が白竜と旅をして世界を救うゲーム。
主人公は竜苑の門前に竜の卵とともに捨てられていた。
人々はその卵は永久に孵らないと、主人公をからかった。
しかし、主人公に心を開く、天才竜使いアムリタがいた。
アムリタは主人公に言う。
「いつかその卵が孵ったら、一緒に世界の果てまで旅をしよう
しかし、アムリタはその地:竜苑を焼き討ちにし、亡命する。
その直後、主人公の竜の卵が孵り、千年に一度だけ産まれるという、白竜が生まれる。
主人公は、アムリタの真意を確かめるべく、白竜と共に旅立つのだった...
今まで管理人が遊んだゲームの中で、「世界観」「ストーリー」「BGM」
この3つは、このゲームが最高であると、自信をもって宣言する。
個人的に、サンサラシリーズの中で、このSFCが最も良いと思う。
それには、SFCでしか為せないいくつかの「古さ」がある。
まずはゲームの世界観。
サンサラ2の世界観はとにかく暗くて悲観的で無常に溢れている。
これはゲームの世界観が、インド思想の流れを汲んでいて、
ゲーム名の表すように「サンサーラ」とは「輪廻」を表し、
インドの源流思想は輪廻を苦しみ、辛いことと捉えていたからである。
(詳しくはイオンサイドの高校対策倫理をどうぞ)
この悲観的な思想の中で、人間の営みというのがどういうことなのか、
しみじみと考えさせられる会話イベントや倫理的問題など様々があって、
倫理がすきな自分にとってはたまらなく興味深い。
(寧ろ、倫理がすきになったのはこのゲームの影響かもしれない)
物語も素晴らしい。普通の物語だと、魔王を倒すだとか、
なんだか旅の目的が明確でないところから始まったりするものの、
このゲームは「アムリタに会って真意を確かめる」という明確な目的があって、
それが最後の最後で世界を救うことに繋がるわけだが、
冒険を始める上での出だしがやっぱり美しい。
詳しくは攻略にてストーリーについても語ろうと思っているが、
主人公のその意志やアムリタの真意が世界観ともマッチしていて素晴らしい。
ストーリーが異常なまでも一本道なのもこのゲームの魅力かもね。
音楽も素晴らしい。全体的に見ると悲観的、虚栄的なイメージが強いが、
これも全てその世界観によるもので、戦闘時のBGMなども、
他のゲームにはないような命がけな感じが強い。
以上を総合すると、「お葬式ゲーム」がベストマッチ。
辛い、悲しい、重々しい。だけど終わればあっさりして気分が晴れる感じになる。
実際にエンディングしたときは感動ものだと思うし、
他のゲームにはない、一種の脱力感さえ感じられる。
(エンディング後セーブデータを抹殺するという面白いゲームですし、それで構わないと思う)
しかし、ゲームシステムは相変わらず残念極まりない。
そもそもこれはゲームとしてあるべきではなく、物語として存在してほしかったと思う。
インド思想に興味を持っていて、しかも竜が好きだ、しかも悔いが残らない一本をあっさりやりたい、
そういう願いを持つ人はぜひ今でもプレイを。
この部分はネタバレとなります。
クリアしていない方は読まないことをオススメします。
このゲームの謎はかなり根本的でしかも深く、
いくつか取上げて考察したい。このゲームを知っている人がいたら、是非意見もききたい。
アムリタが竜苑を去る際に焼き討ちを行ったことが、以降ギルドから呼ばれる反逆という意で、
主人公はこのアムリタの反逆が、主人公と交わした約束に反するものであり、
その理由というか、言い分をきくために冒険に出たといっても過言でないと考えている。
ではなぜアムリタは反逆行為を行ったのか。という問いに対して、
それには2つの仮説を考えることができた。
1つは、アムリタが竜使いギルドに失望したということ。
これはけっこうあっさりしていると思う。
アムリタはギルドに失望したため、竜使いギルドと、
その制度を破壊するため、各階層の支部を破壊して回るうちに、
アムリタのその様子を見た竜が邪悪な心を宿し、
(或いは人々から向けられた邪悪な心をためて)
カオスドラゴンが発現したという説。
2つめは、アムリタが自分の竜がやがてカオスドラゴンを発現うる運命にあることを悟り、
自分の竜を守るために、カオスドラゴンが発現した際は、
対抗してくるであろう存在を予め潰しておこうと考えたため、
第一階層界では竜苑を焼き討ちにし、上層界でも各支部を破壊した。
そして、運命通りに自分の竜からカオスドラゴンが発現したという説。
どちらの説も微妙な感じだが、個人的に後者を支持したい。
なぜならアムリタは絶命する際に、自分の竜を守るために主人公と戦ったわけで、
主人公と戦ってまで自分の竜を守るべきとしていたわけだから、
そのためにギルドの支部を破壊することは十分に考えられる。
オープニングの雰囲気からして、ギルドより主人公のほうが大事と考えている。
それに、加え、自分の竜の中でなにか得体のしれないものが、
どんどん大きくなり手に負えなくなった
(アムリタの竜から発現したカオスドラゴンを殺せなくなった)
というアムリタの一節は、アムリタが自分の竜を守ることと、
カオスドラゴンを殺すことは矛盾することと考えて、
最終的に自分の竜を守ることを実行したわけであって、
守ろうとする竜を使って自分が絶望したという理由で、
支部を破壊するとは考えにくい。
つまり、支部の破壊が目的だったのではなく、
アムリタが竜を守ることが目的だったので、
その目的のために支部を破壊せざるを得なかったということ。
以上の2つから後者の説を支持する。
ただしこれはあくまで管理人自身の考えで、
しかも公式発表もないので疑問です。どなたか意見おねがいします。
アムリタは竜苑焼き討ち後、逃げるように主人公から離れていく。
それを主人公が理由をききたいので追いかけるゲームなわけだが、
ではなぜアムリタは主人公から逃げる必要があったのか。
アムリタはオープニングで主人公と世界の果てまで旅しようという、
約束を交わしたわけで、しかもアムリタ自身も軽々しく約束を破る人格ではない。
すると、なにか不可抗力的な事態があったと思われる。
それが、先に挙げた仮説のうち、後者で考えるとすると、
アムリタの竜がカオスドラゴンになる運命にあるという点で、
なぜ主人公から逃げるように離れなくてはならなかったのか、
その理由を明確にしたい。
複合的に絡んでくる事態もあるかと思うが、2つの仮説をたてた。
1つめは、アムリタは自分の竜を守ることが至上目的と考え、
その目的のためには、将来的にギルドはもちろんのこと、
主人公も敵であることを見据えていて、
最終的に主人公も敵になるが、その約束を交わした人は、
可能な限り裏切りたくなかった、だから保留にできる
(対抗者としてギルドのように破壊(=殺)しては約束が守れないから)
ように一時的に主人公から離れた。
そうすれば対抗者として主人公と直接戦う危険性が減る、
或いはその"時"を遅らせることができると考えたため。
ともすると、アムリタは階層を越えた後、わざわざ主人公まで上の階層へ送り込んで、
その階層を破壊する必要があったのかという点が疑問に思う。
第四階層界で主人公が耳にするように、主人公が階層を一つあがるごとに、
アムリタは主人公が通過した世界を、カオスドラゴンの力を使って破壊する。
破壊する理由は、おそらく、それより下の階層の世界は、
将来的にアムリタのカオスドラゴンを狙って対抗してくるからで、
それを未然に防ぐため、やむをえなかったことだと思うが、
ではなぜ主人公を遠ざけたいにも関わらず、
主人公を上の世界へ導いたのか(遠ざけなかった)のかという点と矛盾が生まれる。
たしかに下の世界に主人公がとどまっているまま破壊すると、
主人公を殺し約束を破ることとなるわけだから、
止むを得ないといえば分かるがそれはアムリタにとっては、
あまりに優柔不断すぎるとして微妙な感じ。
2つめは、アムリタは自分の竜がカオスドラゴンになることを悟っていて、
カオスドラゴンが発現すると、アムリタ自身はもちろん、
主人公も無に帰してしまうわけだから、
それを避けるため、アムリタ自身が危険なめを犯して、
主人公からカオスドラゴンを遠ざけようとしたため。
ただし、この仮説だと、アムリタというその名が示す、
甘い露即ちカオスドラゴンへの水先案内人としてのアムリタが存在できない。
このゲームの象徴的世界観の魅力のうちもう一つが、
主人公の白竜即ちカオスとの反対である秩序(=発現として、言葉を話す論理、誠実)が、
カオスドラゴン即ち混沌(=発現として、破壊による無、暴走)に打ち勝つわけだから、
アムリタがそのステージへの案内人であることは捨てがたい。
という2つ。かなり微妙な感じなので、意見があればおねがいします。
サンサーラナーガ [FC]
サンサーラナーガ1×2 [GBA]